■□心が安らぐ展示館に ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
私は戦争や貧困・犯罪など、非人道的なこの現代の病を仏の心で救いたいと思ってきた。おびただしい北海道の風景のほかに、もう一つのライフワークとして仏画や彫刻の制作をしてもいる。そんな自分の世界を知ってもらうため、昭和63年に恵庭市内に仏像彫刻記念館を建てた。 現代人に心の安らぎを感じてもらえるよう、花園や彫刻の森を造る構想を練る。これもまた、一つの夢である。こころの安らぎを感じるのに、美しい花とそこを優雅に舞い飛ぶチョウの姿はうってつけだと思ってきた。そんな考えから、チョウの標本を集め随分大事にしている。 私は虫ピンで留めている昆虫の標本に磔(はりつけ)を感じる。あの美しいチョウも触角が取れ、足はもげ、ひどくなると羽の片方がないものまである。私はピンを抜き、綿とガラスに挟んで、一枚一枚額に入れきれいに装丁してもらった。これでチョウはその美しさを永遠にとどめる。 仏教の源流をインド・ネパールに訪ねてみたい。仏像千数百点。生命誕生から恐竜の骨盤まで珍しい化石五百点。文明の原点とも思えるネパールの山岳部族の仮面二千点。宝石・鉱石の原石三百点―。私は振り返ってみるといろいろな物を集めてきた。画家としてそこから何か超自然的なインスピレーションを感じようとしてもおかしくはなかろう。 私達はもっと謙虚にあらゆる自然界の資源を大切に敬う必要がある。五万年前、米国アリゾナに落下した隕石(いんせき)を展示した。重量およそ三十キロ。おおよそ四十六万年前のものと推測され、太陽系創世時の記憶を微弱ながら発散させている。 人のこころを、時空のはるかかなた、宇宙の創造までいざなうこの物体から、何か素晴らしい英知を得ることができるのではないかと毎日眺めている。 |