■□幸福の女神
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 東京銀座の越後屋美術サロンで個展を開いていたとき、品のある女性がこちらに向かい歩いてきた。会場がパッと明るくなった。吉田紀子女史とのはじめての出会いだった。気さくな人で何の飾り気もなく色々お話をしているうちに、知内出身の人で、私の絵があまり売れていないのを知りあちこちに電話して下さり十数枚も売っていただいた。おまけに分厚いご祝儀までいただき何とお礼していいのかただただ感激であった。



 後で気がついたらお買上げの絵は全部いい作品である。すばらしいセンスの人だと思った。大きな仕事をしている様子、多忙のなかを北海道出身作家と知り立ち寄り力を貸して下さったのだ。



 人生はわからない。其の日からホテルは快適に変わり、会場の絵はどんどん売れて行く。展覧も無事終わり大成功であった。あの人が運を持って来てくれたのでしょう。それからやることなすことうまく行く。あれは観音様ではなかったのか。



 その後私も忙しくなり、とき折思い出していた。それから七・八年が過ぎ札幌でお会いしたが当時のあのままである。美しさも、優しい心も。まずあの時のお礼を言い、絵も心配なく描ける状態にあることなど大変喜んで下さり、今は本当に家族共々親しくさせていただいている。



 我が人生を好転させてくれた大切な人である。



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